カレーを食べてる。






5時半。こんな深夜(早朝?)にカレーを食べてる。今日(昨日?)の夕ご飯だったカレーを食べてる。おそらく明日の朝(今朝?)に食べる予定であろうカレーを食べてる。その量は一家族に並ぶ朝ごはんとして適切な量だったが、それをぶち壊すほどの量のカレーを食べてる。お腹が減ってしまっていたんだからしょうがないよね。カレーおいしい。




なんで明日だとか、夜だとかの表現を使っているかって、寝てないからである。だから僕にとってはこれはまだ今日なのである。家族もまだ寝静まっているし、僕はまだパジャマだ。




でも外からはだんだんとトラックかなにかの重たげな車両が通る音が聞こえてきたし、鳥も鳴き始めた。朝だ。




最近、変わらない日々を生きてる。変わらない日々は幸せなのか?いろんなことと相対的に見たら幸せなのかもしれないけど、僕はいま確実に幸せじゃない。だって、なにも変わらないから。




辛くてもいいから、なにか目標とか課題とか、やらなきゃいけないことを決めて、苦しみ、汗をかきながら生きたい。それが人間だと思う。自ら進んでこんなんになったことは重々わかってるけど、これが間違っていることも、よくわかってる。こういう生きかたをしていると、なんだか変な気持ちで耐えられなくなる。その分、僕はまだ健全なのかもしれないなぁ。。




僕はいつも通りアルバイトに行って、友達とよく会い交流し、恋人とも愛し合ってる。でもこれって、すごい前からずっとやってることなんだ。やってることは小学生のころとなんら変わらない。なんか退屈だ。退屈というとなんだか格好つけているようだから言葉を変えると、正しくは"本当にこれで良いのか"という気持ちだ。なんでもいいから、なにか激しい流れの中に身を置きたい。人生に、工夫をしたい。




なんか、僕は人生の中で、自分にいろんな誓いを立ててきた気がする。誓いといっても、今日から真面目に勉強するだとか、早寝早起きをするだとか、そんなんだが、そんな簡単なことだが、それでもそれはほとんどできてなかった。だから、いまさらそういった誓いみたいなことをするのは恥ずかしくて堪らない。でもそういうなにか、禊みたいなものがなかったら、人は変わらないと思う。




この前、映画"ヒミズ"を観た。劇場でももう既に観たこともあるけれど、DVDでもう一度観た。あの映画は、僕みたいな人に向けた説教だ。映画はその人が捉えたように捉えるのが正解だと思う。その人がなにか響いたシーンが、名シーンなんだ。本当に人生を謳歌していている人にとって、あの映画はなにも響かないかもしれない。ただ、僕にとってあの映画は素晴らしかった。園子温は音楽でいうところのロキノン系みたいなとこみたいなとこがあって、作品の良し悪しに関わらず、そのブランドで評価されてる節がある。でも"ヒミズ"は素晴らしい作品と思う。有名な"愛のむき出し"や"冷たい熱帯魚"よりか、僕には素晴らしかった。




どんなストーリーかは、書かない。僕は映画評論家じゃないから、上手くかけないっていうのが第一だけど、もっというとこの映画は直接観て欲しい。まぁ、そんなの、どの映画にも言えることだけれど。そこを上手く伝えれるのが、映画評論家って職業なんだろうなぁ、すごい。





ひとつだけ。"ヒミズ"に出てくる詩がある。



-僕にはわかる
牛乳の中にいる蝿
その白と黒はよくわかる
天気が良いか悪いかもわかる
どんな人かは着ているものでわかる
何だってわかる
自分のこと以外なら-



フランスの詩人、ヴィヨンの詩集から。とても心にくる詩だと思う。ただ、これが心にくるような人って、俗に言うろくでなしだとか、そんな人だと思う。僕は、絶対に友達になりたくない。




いろんな世界を達観したように観て、悪く言えば周りを見下してる。こいつら、どうせなんも考えずに生きてるんだろとか思ってる。自分は、なにか特別で、だからこそそこらへんのやつらと同じように生きるのなんてまっぴらだと思ってる。こんな、誰しもが思うけど、すぐに気付いてやめるようなことを、悪あがきで必死に正当化して、大人になってもまだ続けてる。でも実は自分のことはなにもわかってなくて、自分にあってないようなことをして、破滅してく。そして、結局、自分のことだけじゃなくて、なにもわかってなんていなかったことに気づく。こんな、よく考えればわかるような普通のことなのに、僕にはすごく響く言葉で、このヴィヨンの詩は、とても辛辣で皮肉だ。





うん。




そんな感じだよ。















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住田祐一 15歳。願いは「普通」の大人になること。
茶沢景子 15歳。夢は愛する人と守り守られ生きること。


映画"ヒミズ"、素晴らしい作品です。是非観てみてください。