狂気の春一番

 
 
 
 
 
僕の心が今どんなに地獄でも僕の周りの世界は今日も普通の一日?
 
 
 
 
 
 
 
 先週だかに、春一番が日本列島に吹いたらしい。テレビでは、春一番です!だとかなんとかいって、なんだか浮き足立ったニュースキャスターが、ウキウキしながら、でもどこか浮き沈みのない、言わされたようなことを喋舌ってた。春一番という言葉自体の語呂は、いくらか、ハッピーに聴こえる。曲でいうとメジャーコードのような、そんな含みを持ってる。気がする。逆にマイナーコード調の言葉といえば、なんだろう。パッと出てこない。自殺、とかしか出てこない。俺の脳みそは貧相か。あぁ、貧相も、脳みそも、マイナー調じゃない?違うかな?わかんない。
 春一番は新春を知らせる風。これが吹いた日の夜、いや正確には朝、AM 4:00とかだった気がする。なんとなく外に出たら、それ以前までの壮絶な寒さに慣れてた身体が、逆に、震えた。空気の読めない場違いなその風に、身体が、「何こいつ、怖い」とか言ってるような震えだった。そして翌日、チャンネルはどこも春一番の到来に歓喜してたけど、俺はなんと言っても春一番が嫌い。春一番って、春の訪れを知らせるとかいうひょうきんな側面の裏側で、花粉や黄砂を日本列島に叩きつけてて、さらに言うと春一番を原因に起こる有名な"春の嵐"は毎年強烈な被害を出す。駄目押しには、突然の温度差による体調不良や鬱病の増加。実際、春という季節は鬱病になる人がいっぱい増えて、自殺者も多いらしい。とんでもない畜生だよ春ってやつは。
 
 
面白い記事がある。
 
 
"本当は怖い、春一番"
 
特に、真冬に突然の春をもたらす春一番には注意が必要だ。過去の例を見ると、1978年2月に春一番が吹いた時には、強い竜巻が発生し、神奈川、東京、千葉をおよそ130キロの超特急で駆け抜けた。しかもこともあろうに、その竜巻は、営団地下鉄東西線の列車を横転させるという大惨事までも発生させている。
 
また1972年3月の春一番の時には、悪天候や気温上昇によって雪崩が発生し、富士山大量遭難事故を発生させた。この事故による死者・行方不明者はあわせて約25名に及んだ。
 
さらに、春一番の後は、低気圧が東の海上へと抜け、西高東低の気圧配置に戻るために、季節は一気に冬へと逆戻りする。気温の急降下は、リウマチ、心筋梗塞ぜんそくなどの症状を悪化させるとも言われている。
 
そもそも「春一番」という名前は、諸説あるが、長崎県の漁師たちが、強風による転覆死亡事故をきっかけに、注意を喚起するという観点から名付けた名前である。「春一番」などという、心ワクワクするおめでたい名前に惑わされがちであるが、その実、とても恐ろしい気象現象なのである。
 
 
 狂気の春一番。春って言葉に含まれてる意味って、すごく特徴的だよ。長調のメロディにも、短調のメロディにも、どっちに入ってもそのメロディにハマる。表面的には明るいし、幸せな響きなんだけど、芯にある響きはすごく暗い。春の詩って沢山あるけど、明るくて朗らかな詩はもちろん、ちょっと哀しくなるような詩も、同じくらい多い気がする。
 
「春」「自殺」
 
ほら、なんかこの言葉の並び、妙にハマってない?全然違和感ないっていうか、むしろ調和してる。春以外だと、"ピエロ"とかも同じような雰囲気がある言葉だと思う。70年代、アメリカを震撼させた連続殺人鬼ジョン・ゲイシーは、楽しげなピエロの格好をして子供に近づいて、6年間で33人の児童を殺害した狂気の男。ピエロの顔は、半分は笑ってるけど半分は泣いてる。春もそう。笑いながら、嘲笑ってる。春のピエロにはご注意を。みたいな。ふふ。
 
 結局さ、何を言いたいかって、あれだよ。鼻水が止まらなくて腹たってんだよ。俺は。ふざんけんなよ!ティッシュが足りねえよ!ふざけんな!まぁでも、やっぱりさ。なんていうのかな。なんだかんだ言って、最近、あったかくてほんと幸せ。いいなぁ、春。
 
 
 
 
 
 
 
 
?
 
 
 
 
 
 
 
 
 じゃあ、最後は、山村暮鳥の有名な春の詩で締めくくらさせてもらうね。
 
 
 
 
 
 
       いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  かすかなるむぎぶえ
  いちめんのなのはな
 
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  ひばりのおしゃべり
  いちめんのなのはな
 
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  いちめんのなのはな
  やめるはひるのつき
  いちめんのなのはな。
 
 
 
 
『風景 純銀モザイク  山村暮鳥』より
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おわり